サポート校とは?通信制高校との違いは何?

サポート校

通信制高校について調べていると、「サポート校」というものの存在を知ることになると思います。

全日制高校の生徒にはあまり関係のないものなので、一体どういったことを行う場所なのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、このページではサポート校がどういったものなのかについて紹介し、通信制高校との違いや活用方法についてもお伝えしていきます。

サポート校と通信制高校の違い

サポート校と通信制高校の違いを一言で表すなら「サポート校は高校ではない」というものになります。

サポート校はその名の通り「学習のサポートをする学校(=学習塾のような場所)」であり、高等学校ではありませんので、サポート校だけを卒業しても高校卒業の資格を得ることはできません。

一方、通信制高校はれっきとした高等学校なので、こちらを卒業すればいわゆる「高卒」の資格を手に入れることができます。

通信制高校入学と同時にサポート校にも入学し、3年でしっかり卒業することを狙う(&人によっては希望校への進学も狙う)というのが基本的なサポート校の活用方法となります。

サポート校の役割とは?

サポート校にはいわゆる高卒認定試験の合格を目指す人も通っていることがありますが、主に利用するのは通信制高校に通う生徒でしょう。

全日制高校で週5日、時間割に沿って学習を進めている生徒に比べて、通信制高校の生徒は自主的に勉強を進めていく必要に迫られます。

特にスクーリングが少ない場合は、学習が遅れると3年間で卒業ができなくなってしまう危険性もあります。そうした人たちが、学習を強化するために利用するのがサポート校なのです。

一般的にサポート校では、実際に教室に通いながら授業を受けることができます。一人きりだとなかなか学習を進められないという人も、サポート校に通うことで、全日制高校に通う生徒のように、半ば強制的に学習を進めていくことができるのです。

通信制高校のデメリットの一つでもある「学習が遅れてしまう可能性」をケアしてくれるのがサポート校の存在ということですね。

カウンセラーによる相談対応も行っている

サポート校の中にはカウンセラーが所属しているところもあり、そういったところでは生徒の精神的なケアも行っています。

無事に卒業するためには、学習だけでなく精神面でのケアも必要な場合がありますよね。そうした面に対応しているというのは安心できる部分です。

サポート校で行われる授業の内容はどんなもの?

サポート校では全日制高校のように週のほとんどを通学するコースもあれば、そうではなく1~2日だけ通学するものや、個別指導形式で学習を進めていくものもあります。教材も、通信制高校のレポートを使用するところもあれば、教科書を用意するところもあります。

一般的な「国語総合」「数学」などの授業を受けられるコースが多いですが、福祉やプログラミングなどの専門的な授業を受けられるコースや、進学希望の生徒のためのコースを用意しているところもありますので、授業内容は入学するサポート校やそこでの生徒の選択によってかなり変わってきます。

実際のサポート校で受けられる授業の例を紹介します。

(例1)東京分理学院高等部
数学と英語を習熟度別のクラスで教えている他、半年ごとに選択し直せる講座(選択授業)も用意されています。パソコン、調理、声優、バスケットボール、ダンス、英検対策、進学国語など、その種類は多岐に渡っています。
(例2)東京共育学園高等部
40分×4コマの通常授業を9:00~12:30まで行い、その時間内で月1回程度の体育や一般教養、進路対策などの授業も行っています。

将来についてまだ決めかねている状態の場合は通常のコースを選び、進学希望の場合は進学コース、特定の進路へ進みたい場合はそれに応じたコースを選択するというのが基本ですね。

サポート校に通う必要はある?

ただ、通信制高校に在籍しているからと言って、サポート校を使わなければ卒業・進学ができないというわけではありません。

自分でしっかりと必要な学習を進めていくことができる生徒は、サポート校の助けがなくても3年間で無事に通信制高校を卒業できるでしょう。

また、そもそもスクーリングの多い通信制高校などを選んでいた場合も、サポート校に入学するメリットは薄いかもしれません。

サポート校はあくまでも「自分ひとりで学習を進めていくのが難しそう」「サポート校でしか学べないもの(専門的な知識など)がある」というような場合に利用するのが良いと思います。

サポート校に通うことのデメリット

サポート校を利用する上では、そのデメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。

まず、詳しくは後述しますが、サポート校を使うには費用がかかります。通信制高校の学費にプラスでかかってくるので、裕福でない限りは家計を圧迫してしまわないかも確認しておくべきでしょう。

また、通信制高校のカリキュラムに加えてサポート校での学習を行うことになるので、学習時間が増えることになります。学力を伸ばす意味では良いことなのですが、通信制高校の強みの一つでもある「自由な時間を取りやすい」という部分を打ち消してしまう可能性があるのです。

芸術や芸能・スポーツの分野で活躍したい場合など、学業以外の時間が必要な人は、サポート校に通うことでそれらのための時間が取れなくなってしまうかもしれない、ということを知っておくと良いですね。

逆に、費用の心配がなく学業に集中したい場合は、ぜひサポート校を活用すると良いでしょう。

サポート校の費用は?

学費

多くの家庭にとって、サポート校を利用するかどうかは、費用がどのくらいかかるかによるのではないでしょうか。

サポート校は通信制高校とは別に通う予備校のような位置づけなので、通信制高校とは別にサポート校の費用がかかってきます。

この費用は一般的に50~100万円(年間)程度というのが目安で、決して安くはありませんので、サポート校の利用は慎重に決めるようにしましょう。

とはいえ、学力不足などで通信制高校の卒業が遅れた場合、次年度分の学費を払うことになるのも事実です。そのあたりを天秤にかけて、しっかりと家庭で話し合って決めるというのが一番良いですね。

なお、細かい金額は資料請求しないと分からないことも多いので、気になるところがあれば資料をもらってみてください。

サポート校の選び方

サポート校は通信制高校と提携している場合があり、「サポート校に入学=提携の通信制高校にも入学」となることもあるため、サポート校単体で選ぶより、通信制高校のシステムやカリキュラムに応じて選ぶのが良いでしょう。

  • 行きたい通信制高校に提携しているサポート校に行く
  • 通信制高校がレポート中心なら、通学の多いサポート校に行く
  • 特定分野を学びたい場合は、その分野の授業を行っているサポート校に行く
といったものが基本的なサポート校の選び方です。

まとめ

サポート校は高校ではないので、それ単体で高校卒業の資格を取得することはできません。

通信制高校に通う際、卒業・進学に不安がある人や、希望分野について学べる場所が欲しい人が利用するのがサポート校なので、実際に利用するかどうかは進路をよく考えた上で決めると良いでしょう。

また、サポート校ごとにカリキュラムは大きく違うので、通信制高校同様にしっかりと調べてから選ぶことが大切です。

まずは通信制高校を決めて、それに応じてサポート校を使うかどうかも資料などを取り寄せながら決めていくことをおすすめします。