現在、小中高を合わせると、不登校児童生徒は18万人*1を超え、その数は年々増える一方です。
*1 平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果(速報値)について
その原因は、対人関係、無気力、学業の不振など様々ですが、思い悩むあまり自殺に追い込まれてしまうケースもあります。
その原因の一つとして、学校に通えないのに通わなければならないというプレッシャーや、このまま学校に通わなかった場合の未来への不安があります。
“学校に通えないなら通わなければいい”そんな考え方、そして、通信制高校という選択肢について、当ページで解説していきます。
目次
不登校のあなた、そして保護者の方へ
ひきこもり・不登校児童生徒が社会問題となってしばらく経ちました。様々な理由によって不登校となった方がいるかと思います。
そもそも、不登校は悪いことなのでしょうか?もちろん、毎日元気に登校することに越したことはありませんが、それが全てではありません。“学校に行かない”という選択肢もあって良いのです。
恐らく当事者は、学校の先生や友達、家族などに学校に行くように促されたこともあったでしょう。行かなきゃいけない、なのに一歩を踏み出せない自分を責めたこともあったかもしれません。
しかし、“毎日学校に通わなければいけない”という考えを一度捨ててシンプルに考えることで新しい結論が見つかるかもしれません。
現在、1クラスに1人~2人の不登校児童生徒がいると言われています。言い方は悪いかもしれませんが、不登校は決して珍しいことではないのです。
不登校児童生徒の数は小学校が最も少なく、中学校が最も多いと言われています。高校では、不登校生徒が進学しないケースや中退してしまうケースもあるため、その数は減るようです。
しかし、それは残念なことです。本当は高校に行きたかった、更には大学にも行ってみたかったのに不登校を理由に諦めるしかなかった方もいるはずです。
なかなか学校に行く気になれない、だけど学校には行きたいという方たちにどんな選択肢があるのか、もう一度考えてみましょう。
高校は卒業する必要があるの?
そもそも小中学校は義務教育ですので、当然通うべきではあるのですが、高校に行く必要があるのか?と考える方もいるかもしれません。
学校に行けないならそもそも義務教育ではない高校に無理して行く必要が無いように思えます。
しかしご存知の通り、高校を卒業しないと大学に進むこともできなくなります。
皆さんも将来、会社に就職して仕事をこなしていくことになると思います。しかし、現在も入社条件に大卒以上と定めている企業は少なくありません。更には、大卒とは指定していなくても、高卒以上と定めている企業は非常に多いです。
つまり、高校に行かないことで、将来の可能性を大きく狭めてしまうことになるのです。高校は、単に勉強をする場所ではありません。残念なことに高校を卒業したという事実が、将来の皆さんのステータスに繋がってしまうのが現状です。
もちろん、学歴を問わない仕事もたくさんあります。歌手や役者、最近ではYoutuberなんかもありますね。中には自分で会社を作ってしまう人もいるようです。社長になってしまえば学歴は関係無いですからね。
しかしこれは稀なケース。平凡な道を歩めとは言いませんが、最初から会社に就職せずに、残りの長い人生を生き抜いていくのは極めて困難な道のりなので、是非、進学を視野にいれておきましょう。学歴があって損をすることは無いですからね。
通信制高校という選択肢
高校、大学に行きたい、でも通学できるか不安。そんな方のために通信制高校という選択肢もあります。
通信制高校は、自宅などで勉強をして、通学日数を最低限に抑えることも可能です。
通信制高校のスタイルは様々で、年に数回通うだけのコースもあれば、全日制高校のように週5日間きっちり通うコースもあります。また、徐々に慣らしながら通学日数を増やしていくことができる通信制高校もあり、とても柔軟です。
自分にあったコースがないか色々調べてみるとから始めてみてはいかがでしょうか。
ここで鹿島学園の通信制のコースを見てみましょう。
週2日~5日制 | 仲間との交流が欲しい方、キャンパスライフを満喫したい方に向いているコース |
週1日制 | なるべく自分の時間を確保したいけど、定期的な学習のペースを保ちたい方に向いているコース |
自宅学習制 | なにかに専念したいことがあり、自分1人で学習を進めたい方に向いているコース |
個人指導制 | 不定期に自分のペースで個人指導を受けたい方に向いているコース |
家庭教師制 | 外出が難しいけど、1人での学習が不安な方に向いているコース |
ネット指導制 | PCやスマートフォンを使ってネット上で学習を進められるコース |
全寮制 | 仲間との宿泊生活を楽しみながら学習を進められるコース |
このように様々な状況の方にあったコースが用意されているのが、通信制高校の大きなメリットです。
では1日も登校せずに卒業もできる?
さて、ここで一点、注意したいことがあります。
自宅学習制や、ネット指導制などを見ると全く登校をする必要が無いように見えるかもしれません。
しかし、通信制高校であっても、最低限の登校をしなくてはいけません。これをスクーリングと呼びます。
スクーリングについてはこちらでも詳しくまとめているので、ご覧ください。
スクーリングは、単位取得において必須と定められており、どの通信制高校においても基本的には一切、登校せずに高校を卒業することはできません。
ただしスクーリングの頻度は、学校やコースによって様々で、月に1回~3回程度のところもあれば、様々な事情により頻繁に足を運べない方たちのために、短期集中型のスクーリングを用意している学校もあります。この場合、数日間の合宿形式で楽しくスクーリングを行う場合もあります。
通信制高校なりの難しさも
通信制高校は、学校にほとんど通わずに高校卒業の資格を取得できることもあり、全日制の高校に比べて楽だという印象を持たれやすいです。しかし、通信制高校には通信制高校なりの難しさもあることも事実です。
通信制高校では、多くの場合、全日制高校よりも学校に通う日数が少ないです。しかし、それによって学ぶ量が減るということはありません。つまり、学校に通わずに同じレベルの学習を進めていかなくてはいけません。
もちろん、通信制高校では、気軽に先生に質問や相談ができる環境、設備が整っているので、1人で全てを解決しなければいけないわけではありません。しかし、自宅で学習を進めるということは、目の前に勉強を強制する人がおらず、いわば自分から進んで学習しなければいけません。
通信制高校とは、自己管理能力が問われる側面が強くあるのです。あまり自主的に勉強に取り組めなかった場合は、3年で卒業することができなくなる可能性もあります。通信制高校は、単位制ですので、留年という概念もなく、卒業に必要な単位を取得できるまで長引いてしまいます。
サポート校と併用する
通信制高校とセットという位置づけでよく紹介されているのがサポート校です。
形式が似ていることから混同されがちですが、サポート校とは通信制高校とセットで受講することによって、学習の遅れを防止する役割があります。つまり学校とは別に通う学習塾のような位置づけです。
サポート校に関してはこちらでも詳しく解説しているので参考にしてください。
サポート校は必須ではありませんが、自分1人で学習を進めていくのが不安な方にとっては、心強い味方となるはずです。
注意しなければならないのは、サポート校は通信制高校とは違って高校ではないということです。つまりサポート校では高校卒業の資格を取得できないので、あくまで通信制高校の補助的な役割だということを心得ておきましょう。
まずは通信制高校を比較してみよう
通信制高校は、年々その数も増えており、そのタイプも様々です。
中には、より専門的な授業を受けられる通信制高校も多々あります。歌や声優、アニメーターなど華やかなコースも増えてきています。それだけに、通信制高校選びに苦戦を強いられているご家庭も多いようです。
また、コースの内容とは別に気になるのが学費ではないでしょうか。通信制高校は基本的に国公立の全日制高校よりも費用が高くつきます。少しでも負担を抑えたいというご家庭も多いでしょう。
通信制高校の学費は履修科目や、コースによっても細かく変化します。ですので、一つ一つの通信制高校を比べていくのは大変な作業になります。
そこでオススメなのが、通信制高校の一括資料請求です。複数の通信制高校から一括で資料請求できるサービスがあり、そういったものを利用することで、手っ取り早く、正確な情報を仕入れることが可能です。
また、お住まいの地域を指定することで全国から通える範囲内にある通信制高校を絞り込んでくれます。
まとめ
不登校であってもなるべく、高校卒業の資格を取っておきたいものですね。大学に行ってみたい!という願望があるなら、なおさらその必要が出てくるでしょう。
高校卒業の資格を得るには、週5日間学校に通って、皆と一緒に授業を受ける必要があると思われがちですが、通信制高校であれば、通学を最小限に抑えて高校卒業の資格を取得することもできます。
ただし、通信制高校での学習は自己管理能力が問われるので、注意をしなければいけません。心配な場合は、サポート校を利用することも検討しましょう。大学進学を目指す場合は、なおのことサポート校の存在が重要になるでしょう。
自分にあった通信制高校や、サポート校を選ぶ場合は、一括資料請求がオススメです。高校によって、学習スタイルや、雰囲気、費用などが様々です。ネットの情報だけで比較せず、パンフレットやガイドブックを取り寄せてこれから自分の未来を左右する通信制高校をしっかり吟味しましょう。